「孤独が終わる日」




唯一の目的を越えた時、私には何も残っておらず、
途方に暮れていたら、あいつが言った。

「とりあえずオレと、幸せにならないか?」

―――― などと。





金をかけなかった代わりに、多くの友人たちが手をかけてくれた。
ドレスを仕立て、花を集め、料理を作り、化粧を施し。
身に過ぎるほどの優しさと思いやりに満たされてゆく。
どこか気恥ずかしくて、鏡に映る姿を正視できない。

「私はこういう格好は初めてなのだが…おかしくはないかな?」
「まあ、何を言うの」
介添え人が笑って告げる。
「愛する人に嫁ぐ幸せな花嫁が、美しくないわけないでしょう?」

自信を持て と言われ、ようやく緊張がほぐれた。





――― 幸せにならないか?』

私は、彼の言葉に頷いた。

これからは『クルタ族最後の一人』ではなく
『最初の一人』として生きると決めて選んだのだ。

この新たな人生の道
――― Virgin Load――― を。



END
漫画「Virgin Load(Byあやむ)」より抜粋、文章化。
初出/「はんたーおんなのこほん」2000年 戯言通信様発行